京都創造者大賞 2009
各賞受賞者
京都創造者大賞
財団法人祇園祭山鉾連合会
「祇園祭の伝統技術と文化の保存・継承を担い、
京都文化の伝道者として貢献」
・1923(大正12)年 | 「祇園祭山鉾連合会」創設 |
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・1962(昭和37)年 | 「祇園祭山鉾29基」重要有形民俗文化財に指定 |
・1979(昭和54)年 | 「京都祇園祭の山鉾行事」 重要無形民俗文化財に指定 |
・1992(平成4)年 | 財団法人祇園祭山鉾連合会に法人化 |
・2009(平成21)年 | 京都祇園祭の山鉾行事がユネスコ無形文化遺産 代表一覧表へ登録(予定) |
・2010(平成22)年 | 第1回ユネスコ無形文化遺産として登録(予定) |
【事業内容】
京都の町衆によって千百有余年にわたり、守り育てられてきた祇園祭の山鉾と巡行にかかわる国内外のほとんど全ての事柄の窓口を担ってきた。
現在も32の山鉾保存会の連絡調整機関として、「有形民俗文化財」に関しては、山鉾の形態や構成要素の維持・復元、また「無形民俗文化財」に関しては、巡行当日の行列形態のほか、巡行中や前後の一切の行事・作法など、ふたつの側面から祇園祭を維持継承しているとともに、次代に応じた新しい伝統を形成すべく活動している。
【審査講評】
古都の雅が凝縮された祇園祭は、日本の三大祭のひとつであるとともに国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
祭の運営は外部に委ねることなく、山鉾を有する町衆同士の自治精神で成り立っており、その連絡調整機関としての同連合会の活動は、まさに京都の品格の高さをものがたっている。そのような祇園祭山鉾連合会の長年の活動に本賞大賞を授与出来ることは誇りであり、京都の伝統文化を未来に継承する京都創造者として顕彰したい。
特別賞
益川 敏英(京都産業大学益川塾教授・塾頭、学校法人京都産業大学理事)
「ノーベル物理学賞受賞や京都産業大学・益川塾による若手研究者の育成・支援活動を計画しているとともに、その親しまれる人柄で京都の存在を世界にアピール」
・1940(昭和15)年 | 愛知県生まれ |
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・1962(昭和37)年 | 名古屋大学理学部卒業、名古屋大学大学院理学研究科入学 |
・1967(昭和42)年 | 同修了理学博士号、名古屋大学理学部助手 |
・1970(昭和45)年 | 京都大学理学部助手 |
・1976(昭和51)年 | 東京大学原子核研究所助教授 |
・1980(昭和55)年 | 京都大学基礎物理学研究所教授 |
・1990(平成2)年 | 京都大学理学部教授 |
・1997(平成9)年 | 基礎物理学研究所教授、同所長 |
・2003(平成15)年 | 定年退官 京都大学名誉教授、京都産業大学理学部教授 |
・2007(平成19)年 | 名古屋大学特別招聘教授 |
・2009(平成21)年 | 名古屋大学特別教授 京都産業大学益川塾教授に配置換・塾頭に就任 現在に至る |
【最近の受賞歴】 | |
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・2001(平成13)年 | 文化功労者 |
・2007(平成19)年 | 欧州物理学会2007 年度高エネルギー・素粒子物理学賞 |
・2008(平成20)年 | 文化勲章、ノーベル物理学賞 |
・2009(平成21)年 | 京都府文化賞特別功労賞、京都府特別栄誉賞、京都市名誉市民 愛知県学術顕彰、名古屋市学術表彰 ほか多数 |
【事業内容】
1973年、素粒子の世界における粒子と反粒子の間の非対称性(CP対称性の破れ)を説明するため、当時3種類しか存在が確認されていなかった素粒子クォークが3世代6種類以上あることが必要だとする「小林・益川理論」を提唱。
この理論は、1995年までに新たな3種類のクォークの存在が確定することにより証明され、現在の素粒子物理学の基本となる「標準理論」として確立している。
2008年には宇宙や物質の成り立ちに関わる根源的な現象を理論的に解明した功績が高く評価され、ノーベル物理学賞を受賞。
また、京都産業大学教授、京都大学名誉教授、名古屋大学特別招聘教授として、さらに2009年6月からは京都産業大学益川塾塾頭に就任し、後進の育成や学術文化の向上を目指している。
【審査講評】
小林・益川両教授の研究「クォークの世代数を予言する対称性の破れの起源の発見」が、ノーベル物理学賞を受賞したという輝かしい功績は京都の誇りである。
また、益川教授の親しまれる人柄や人望の厚さ、京都産業大学益川塾での若手研究者の育成など、さまざまな形で京都に元気と活力を与えていただいたことに対し、特別賞を授与したい。今後もますますの活躍を期待するとともに、研究者育成にご尽力いただきたい。
京都創造者賞
もてなし・環境部門
JR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン
「メディアを通じ、格調高く京都の魅力を発信」
・1993(平成 5)年 | 平安建都1200年記念事業にあわせ、
「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンを開始 |
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・1996(平成8)年 | 東京駅日本橋口に 「京都奈良観光ステーション」を開設 |
・1997(平成9)年 | 京都ファン向け会員組織「KYOTO◆CLUB」開設 |
・2003(平成15)年 | ・京都市内に本社直轄の情報機関
「京都・奈良・近江文化情報事務局」を開設 ・「そうだ 京都、行こう。」ホームページ開設 ・「KYOTO◆CLUB」の継承として 「そうだ 京都、行こう。」エクスプレスカードを開設 ・50歳以上の方を対象とした旅クラブ・JR東海「50+」サービス開始 |
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・2005(平成17)年 | ・「そうだ 京都、行こう。」初秋編を開始 |
・2006(平成18)年 | ・「そうだ 京都、行こう。」夏休み編『父さんと行く京都』を開始 ・「そうだ 京都、行こう。」冬の体験編『母と娘が一緒に京都』を開始 |
【主な受賞歴】 | |
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・1994年(平成6年) | TCC賞(TCC最高賞) |
・1994年(平成6年) | 日本雑誌広告賞(金賞) |
・1996年(平成8年) | 広告電通賞(優秀作品賞) |
・1998年(平成10年) | 消費者のためになった広告コンクール(JAA会長賞) |
・1998年(平成10年) | ADC賞(ADC賞) |
・2000年(平成12年) | ニューヨークフェスティバル国際広告賞(TVCM部門) |
・2001年(平成13年) | 朝日広告賞(IT部門賞) |
・2003年(平成15年) | ACC賞 |
・2006年(平成18年) | 講談社広告賞(週刊現代最優秀賞) |
・2008年(平成20年) | 毎日広告デザイン賞(第3部優秀賞) |
ほか、多数 |
【事業内容】
平安建都1200年事業にあわせ展開された「そうだ 京都、行こう。」キャンペーン。
首都圏・中部圏から世界的な歴史遺産である京都へ観光目的のお客様を誘発するため、京都の四季折々の様々な風景を映像とキャッチコピーで美しく描写し、誰もが知っている京都の魅力を改めて紹介している。1年に最大7回のキャンペーンを実施しており、2009年夏休み編までで80箇所の紹介CM、ポスターを発表。京都への観光客誘致に努めるとともに、京都の魅力の発信、再発見するきっかけとなっている。
【審査講評】
平安建都1200年事業にあわせて始まった本キャンペーンは、京都の観光地等を素材として京都の四季を表現した映像とキャッチコピーで、日本国内のみならず、世界に向けて京都の魅力を発信し続けてきた。これらの活動を京都の都市格の高さを発信するという京都創造者憲章の精神を具体化した好例として高く評価し、もてなし・環境部門での創造者賞とした。
今後も、京都を格調高く世界に発信する活動として、ますますの活躍を期待したい。
アート・文化部門
京都国際マンガミュージアム
「国内外で評価されている、日本初のマンガ文化総合的拠点」
・2003(平成15)年 | 京都精華大学から京都市にマンガミュージアム構想の提案 |
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・2006(平成18)年 | 京都市と京都精華大学の共同事業で開館 |
・2007(平成19)年 | 来館者10万人突破 |
・2008(平成20)年 | 来館者50万人突破 |
【最近の受賞歴】 | |
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・2007年度 | 第3回中国国際文化産業博覧会「優秀展示賞」 ※出展ブースに対して |
関西照明技術普及会賞 ※館内照明プランに対して | |
第11回デイリースポーツ社・読者が選ぶ広告コンクール「優秀賞」 ※新聞広告に対して | |
・2008年度 | 関西元気文化圏賞「ニューパワー賞」 ※当館の活動に対して |
第12回デイリースポーツ社・読者が選ぶ広告コンクール「銅賞」 ※新聞広告に対して |
【事業内容】
図書館機能と博物館機能を兼ね備えたマンガの総合博物館。元小学校をリノベーションした施設で、所蔵するマンガ資料は歴史的なものから海外のものまで30万点。うち約5万冊は、自由に手に取り読むことが可能。
ギャラリーでは特別展を年に3~4回開催するほか、日本マンガの歴史や海外のマンガ事情など、研究施設としてその成果を展示の形で広く公開。展示以外にもマンガに関連した多彩なイベントを行う。
【審査講評】
約5万冊におよぶマンガ資料の閲覧やギャラリーでの展示、さらにはマンガ文化研究施設として京都からマンガ文化の情報を発信している。昨年には、「国際マンガサミット」を開催し、各国から多くのマンガファンが来場するなど、世界でも注目を集めている本ミュージアムの活動実績を高く評価し、アート・文化部門での創造者賞とした。
今後も京都から世界への文化の発信拠点として、また地域連携施設としての活躍を期待したい。
企業部門
京都試作ネット
「機械金属系の中小企業約20社による、部品開発からロボットにいたるまで試作品を開発する研究者・開発技術者の受注システム」
・2001(平成13)年 | メンバー企業10社で設立。祇園祭に合わせ、 7月17日に試作相談サイトをオープン。 |
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・2006(平成18)年 | 総引き合い件数1,500件を突破。 メンバー企業数12社 |
・2007(平成19)年 | 総引き合い件数2,000件を突破。 メンバー企業数16社 |
・2008(平成20)年 | 総引き合い件数2,500件を突破。 |
・2009(平成21)年 | メンバー企業数18社 |
【最近の受賞歴】 | |
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・2002年度 | 『関西IT活用企業百撰』優秀企業 |
・2002(平成14)年 | 京都商工会議所ホームページコンテスト 団体の部 最優秀賞 |
・2005(平成17)年 | 日経地域情報化大賞2005年・知事賞、第1回ものづくり日本大賞優秀賞 |
【事業内容】
「京都を試作の一大産地にしたい」という思いのもと、機械金属や表面処理、樹脂加工、装置開発などその分野をリードする中堅企業が集まっている。
インターネット上で試作開発依頼を受け、2時間以内に返信するスピード対応を徹底。京都の伝統である「ものづくり」の心を持ち、最新の技術と設備を駆使して「顧客の思いを素早く形に変える」べく、「試作加工」のプロとして「京都」にこだわるビジネスを展開している。
【審査講評】
各種金属加工から表面処理、プリント配線板などの中小企業約20社がそれぞれの強みを生かし、高度な技術が要求される試作品の製作にあたっている。テーマに応じて連携し、迅速に対応することで、「日本一の試作品製作集団」を目指しているこのシステムは、中小企業の元気な取り組みを京都から全国に発信することが出来た事例であり、高く評価し、企業部門での創造者賞とした。
今後のますますの活躍に期待する意味をこめて賞を授与したい。
未来への飛翔部門
京都府立桂高等学校 草花クラブ TAFF「地球を守る新技術の開発」班
「水のノーベル賞のジュニア版『ストックホルム青少年水大賞』の受賞など未来の環境を守る新技術の開発」
・1985(昭和60)年 | 桂高校草花クラブ創部 |
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【最近の受賞歴】 | |
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・2006(平成18)年 | 「小さな"Case"の大きな可能性-究極の水循環で90億人の食を守る」がストックホルム青少年水大賞準グランプリを受賞 |
・2007(平成19)年 | 「地球(ほし)に生きる~暑くなる環境に挑む~」が日本水大賞 文部科学大臣賞受賞 |
・2009(平成21)年 | 「ノシバを用いた節水型都市緑化~増加する屋上緑化への警鐘!~遺伝子保護と少水緑化への挑戦~」が日本ストックホルム青少年水大賞グランプリを受賞。 8月にスウェーデンのストックホルムで開催される国際コンテストに派遣 |
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【事業内容】
草花クラブは創部以来、植物を研究素材として、アジサイの品種改良による新種の作出、江戸期の園芸文化をヒントに、画一化した品種の育成ではなく個々に花色・花型が異なるプリムラの「世界に一つだけの花」の育成など、花栽培に関して多くの研究を行っている。2005年より環境植物を素材とした研究にも着手、2006年のKatsura Nursery Case(KNC)の開発、2007年超軽量屋上緑化システムKatsura New Easy Technology of Roof-top Landscape(K-NET)など植物素材を生かすための環境技術の開発に取り組んでいる。
【審査講評】
桂高等学校は、新品種の育成や伝統野菜の革新的な栽培方法などの学習が評価され、文部科学省より「目指せスペシャリスト」=スーパー専門高校として指定されている。
なかでも本班の取り組みは、若い研究者を対象とした水に関する調査研究を表彰する国際賞「ストックホルム青少年水大賞」を受賞するなど世界での評価も高い。
このような京都の高校生の取り組みは引き継がれるべき財産であり、未来へ飛翔部門での創造者賞とした。
今後もますますの活躍に期待したい。
応募状況
募集期間:平成21年4月1日(水)~5月29日(金)
264件(自薦 67件 / 他薦 197件)
もてなし・環境部門 | 79件 | (自薦11件/他薦68件) |
アート・文化部門 | 69件 | (自薦27件/他薦42件) |
企業部門 | 64件 | (自薦17件/他薦47件) |
未来への飛翔部門 | 52件 | (自薦12件/他薦40件) |
選考状況
・選考委員会 平成21年7月2日
・顕彰委員会 平成21年7月21日
授賞式
・日 時 | 平成21年9月14日(月) 午後2時~同4時30分 |
・会 場 | 京都府立府民ホール アルティ(上京区烏丸通一条) |
・プログラム |
京都市交響楽団 | 楽団員による演奏 | |
開会の辞 | 京都創造者大賞顕彰委員会 委員長 千 玄室 | |
授賞式 | ||
講 評 | 京都創造者大賞選考委員会 委員長 芳賀 徹 | |
記念講演 | 「京都・富良野 ―芸術・文化・人をはぐくむ環境―」 倉本 聰 氏(作家・脚本家)/茂山 七五三 氏(大蔵流狂言師)/永田 萠 氏(絵本作家) |