京都創造者大賞 2019
各賞受賞者
京都創造者大賞
古典の日推進委員会
「古典文化の普及啓発活動~「11月1日・古典の日」の全国展開へ向けて~」
・2008年 | 「源氏物語千年紀」事業、記念式典の開催 |
---|---|
・2009年 | 「源氏物語千年紀委員会」を継承して「古典の日推進委員会」を発足 |
・2012年 | 「古典の日に関する法律」公布・施行。「方丈記800年」記念事業 |
・2015年 | 「琳派400年記念祭」事業 |
・2019年 | 古典の広場アカデミアをHP上で開講。下田歌子ゆかりの実践女子大学・実践女子大学短期大学部との連携協定締結。「古典の日推進委員会10周年」記念事業(予定) |
【事業内容】
2008年「源氏物語千年紀」を契機に「11月1日・古典の日」を宣言。以来「古典の日フォーラム」を中核に、古典文学の朗読コンテスト、街かど古典カフェ等多彩な文化イベントを開催。また、「琳派400年記念祭」「方丈記800年」記念事業をはじめ、古典再発見のきっかけとなる事業を推進、「古典の日に関する法律」の制定にも貢献する等、精力的な活動を続け、2019年に10周年を迎えた。
これを機に文化庁の「国民文化祭」と連携して更なる全国展開をめざす。
【審査講評】
「11月1日・古典の日」の宣言以来、多彩な文化事業を展開、その結晶ともいえる「古典の日に関する法律」の公布をもたらされた。今や、11月1日は古典の日、と国中に知れわたり、多くの人々が古典を思う心を年々新たにしている。とくに現代社会にとっての古典のちからを発見すべく、次代を担う若者たちとの交流、対話を展開される活動は、京都に古典とともに息づく文化を次代へと引き継ぐ役割を担っており、そのたゆまぬご尽力に敬意を表したい。今後、京都が誇る古典文化が、世界の人々からも、これまで以上に身近な存在として語られ、古典の日がさらに輝きを増す時代が来ることを期待したい。
京都創造者賞
えびす屋(株式会社ベリー・プロジェクト)
「京都から全国へ。観光人力車「えびす屋」」
・1992年 | 創業 その後、全国展開(京都嵐山総本店/京都東山店/宇治店/小樽店/函館店/浅草店/鎌倉店/倉敷店/宮島店/関門店/湯布院店) |
---|
【事業内容】
1992年に京都・嵐山で観光人力車業を創業。わずか3台からのスタートだったが、現在では総勢300名を超える俥夫・スタッフにより、北海道から九州まで全国の主要観光地で人力車を走らせている。また、婚礼や各種イベントなど新たな提案により利用者層を拡大。世界的観光都市・京都発のおもてなしサービスを全国に広めるとともに、地域の美化と歴史・文化の研修に努め、客の関心に応じて、ガイドブックとはひと味異なる多様な情報を提供する「地域の観光大使」として活躍している。
【審査講評】
20数年前、名所旧跡を訪なう人々を楽しませようと登場したえびす屋の観光人力車は、今では、嵐山と東山の顔として定着している。しかしそれが実現したのは、走行路の清掃活動と土地の歴史まなびの熱意が地域の人々に喜ばれた結果であり、容易な道のりではなかった。創業以来の躍進には目を見張るものがあるが、過去のものであった人力車を人々の余暇と対話のために蘇らせたことは、国内外からの観光客に様々な感動を与えており、その反応を糧に益々発展されることを期待したい。
京都創造者賞
染司よしおか
「植物染による日本古来の色文化の再現~草木花から色を汲み出し、美しい染織品を生み出すという伝統の技を、現代に甦らせる~」
・1973年 | 美術工芸図書出版「紫紅社」を設立。美術図書の編集出版と美術工芸史研究につとめる。 |
---|---|
・1991年 | 奈良薬師寺に掲げる幡5旗を多色夾纈によって制作。翌年、玄奘三蔵会大祭での伎楽装束45領を制作 |
・1993年 | 奈良東大寺、伎楽装束40領を制作 |
・2001年 | ドイツ・バイエルン州ミュンヘン市共立手工芸ギャラリーにて「染司よしおか展」開催 |
・2006年 | イギリスのシティ・オブ・ロンドンフェスティバルにて、日本の色・伝統の美を基調とした作品を出展 |
・2016年 | イギリスのV&A博物館に永久コレクション「日本の色・70色」収蔵 |
・2019年 | イギリスのJAPANHOUSE LONDON にて「Living Colours:Kasane - the Language of Japanese Colour Combinations」「かさねの森 染司よしおか」展開催 |
【事業内容】
草木花に宿る色を汲み出して糸や布を染める植物染や、貝による紫染である帝王紫の染色を専らとしている。毎年、東大寺お水取りの造り花の紅花染和紙、薬師寺花会式の造り花の紫根染和紙、石清水八幡宮放生会の花神撰を植物染で奉納。社寺の伝統行事、国文学、国宝修復等幅広い分野に貢献している。
【審査講評】
日本の人々は、古くから四季の移ろいがあやなす色合いに憧れ、肖ろうとしてきた。色にまつわるその繊細な文化は、植物染の技法を核として伝わり、近代の化学染料万能の風潮にも耐えつつ、続いていたが、染司よしおかの吉岡幸雄氏は、正倉院御物をはじめとする多くの遺物および広範な古典の研究と、染師 福田傳士氏らとの無数の試作の中から、失われた色や技法をも現代にしかと蘇らせただけでなく、先人の配色感覚の復元にも力を発揮された。そのゆるぎない世界は、海外の人々をも魅了し、さまざまな文化創造に霊感を与えはじめている。益々のご研鑚と次代への伝承に期待したい。
吉岡幸雄氏におかれましては、令和元年9月30日(月)にご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
京都創造者賞
株式会社丹後王国
「西日本最大級の道の駅 丹後王国「食のみやこ」」
・2015年 | 創業 |
---|---|
・2016年 | 開園 |
・2016年 | 全国の道の駅のグルメNo.1を決める「道-1グランプリ」第1回開催 |
【事業内容】
2016年、京都府内で初めて地方創生の核となる「重点道の駅」として国交省が認定。甲子園の8倍の敷地に丹後の食材にこだわった市場やレストラン、カフェを設けるとともに、丹後観光の"ゲートウェイ機能"を担いつつ、この地の魅力を全国に発信。2017年3月に来園者100万人を突破し、2018年には150万人を超えた。特産品の開発・販売等6次産業化を推進するとともに、食産業に関わる人材育成、雇用創出にも貢献、丹後地域の産業力強化の拠点となっている。
【審査講評】
〝くに〟を名乗りうる広大な敷地と豊富な食材を活用し、会社の発展と、それを取り巻く地域の振興に貢献されている。地元の良質な農産物へのこだわりは、来場者に美味と安心と喜びを提供するのみならず地域産業の活性化を推進しており、まさに地域創生を体現されている。今秋には京都錦市場商店街にも情報発信拠点を設けられるとのこと。単なる道の駅としての発展にとどまらず、古代からの歴史豊かな丹後地域そのものの輝きに寄与しておられる点を評価し、「丹後王国」らしさの一層の深まりに期待したい。
応募状況
募集期間:2019年3月15日~5月17日
授賞式
日時 | 2019年9月10日(火)午後2時~4時(午後1時30分開場予定) |
場所 | 京都産業会館ホール |
記念講演
「勝負師からみた京都、そして未来」 |
(写真:倉本一治氏) |
副賞
京都創造者大賞 トロフィー、活動助成金100万円
京都創造者賞 トロフィー、活動助成金50万円
「創造の息吹」 | |
---|---|
創造の息吹は、伝統の上に芽生える。
京都の地に根付いた伝統の上に、新しく生み出される創造の心を継承・発展してゆく情景を、大地に根付いた手を伝統に見立て、生み出されるものを子供に象徴化した。 江里 敏明(えり・としあき) 1947年京都市生まれ。 日展を主な発表の場とし、現在 日展評議員・日本彫刻会運営委員なども務める。 主な作品に田辺朔郎像、北垣国道像、毛利輝元像、中岡慎太郎像、 京都国体メダルなどがある。 |
|
※賞状には京都の無形文化財にも指定されている黒谷和紙を使用 |